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 Canadian Flagカナダ便りCanadian Geese
(1)カナダという国
2)国土
(3)カナダ人の心
(4)英国とのつながり

(5)カナダ人の仕事振り


(1)カナダと言う国
皆さんカナダと言う国知っていますか? 勿論知っていますよね。でも、どの位知っているでしょうか? そう真っ向から聞かれると、グット詰まりますね。 カナダに住んでいる我々だって、そんな風に聞かれると、答えに困ってしまいますから。
アメリカの北にある、大きな国でしょ? 英語を話すイギリス連邦の一つだけど、アメリカと隣り合っているので、政治も経済も、暮し向きも、殆どアメリカと同じゃないの? っていう答えが出てくるのが大半でしょう。実際2001- 4年のカナダドルは、市場最安値を更新し続けていましたが、2005年早々には事情が変わってCAN$1.00が、以前はUS$0.60程度だったのが、US$0.85程にも上がりましたが、今2010年の夏には弱くなった米ドルと殆どパーの99セントのレベルとなり、時にはカナダドルの方が高い事も在るほどでしたが、2014年の今は大体米ドルの9掛け程度で推移しています。もうルーニー(Loonieと書き、俗語で1ドルコイン又はカナダドルの事を言います。 下記注ー1を参照して下さい。)を止めて、米ドル(US Greenback)を採用したとしても、そんなにオカシイ事にも成らない様子になって来ました。アメリカの第51番目の州になったほうが良いのではないかと云うような事が、一部では真面目に囁かれている程、米国との関係は大きく、切っても切れない関係にある事は事実ですが、そう云われるのを一番嫌うのも、又カナダ人なのです。カナダはカナダで、超大国アメリカとは意識も社会の仕組みも違うのだと、必死にカナダの存在証明(Canadian Identity)の確立を図っているのですが、今の所はアメリカ人とは違う事と言う以外には無い様です。ですからカナダ人は、米国の事を”国境の南”(South of the Border)と言う程にアメリカが嫌で、アメリカ人と自分たちを一緒くたにされるのを嫌います。
これから、カナダの現状や面白い又は便利な情報を想い付くままに書いて行きたいと思います。カナダは、ナイアガラの滝や、赤毛のアンにスモークサーモンばかりの国では無いのです。今回は初回でも有りますから、カナダの基礎データを百科事典風に書くことから始めてみたいと思います。

ルーンアルゴンキンでのカヌー遊び注ー1)カナダの1ドルコインには、Loon=アビという鳥が刻印されており、大きさはカモメくらいで、鵜に似て、潜水が巧み。背中は黒褐色の鳥で、頭や首・背中に白点が散在しています。魚群を追って集まる習性から漁業関係者に有り難がられており、夏は北極付近で繁殖し、冬になると一部日本にも避寒に渡って行くと百科事典には書いてあります。ロントの北約250kmに広がるアルゴンキン公園は、東京都より面積が大きく、無数の湖が点在し、自然が其のまま残されており、歩くか、カヌーを漕ぐかしか中に入る方法が有りません。カヌーを漕いでテントに泊まりながらツーリングをすると、このルーンに良くお目にかかります。4種類ぐらいに鳴き分けますが、特に夕方から夜中にかけて、トレモロ風にポロポロと震えながら鳴いたり、狼の遠吠えのような、少し不気味だけど、むせぶように鳴いたりと、哀愁を帯びた声が、冴え渡った湖面に反響して、しみじみと心に染み、こんな静寂と平和な場所に居ることに思わず感謝する気持ちで一杯になります。 ついでながら2ドルコインは、トゥーニー(Twonie)と言います。
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(2)国土
カナダは、世界で第二位で、997万平方キロ、地球の表面積の約7%の大きな国土です。カナダの地図と言っても、ピント来ないでしようが、日本の約26.4倍に相当し、私が住むオンタリオ州だけでも、日本の2.8倍もあります。 因みに、第一位はロシア(CIS)がダントツの2,240万平方キロ、地球表面積の18%。第三位に中国が、960万平方キロです。アメリカは、僅差で第4位の937万平方キロとなります。(面積は、国連統計、OECD資料、外務省資料等により異なります。従って、僅差のアメリカと中国は微妙なものがありますが、取り敢えずは、大勢派の数字を採用しました。統計数字は、数字の背後に潜む、製作者の意図とか、文化や背景を理解する必要があります。) 人口は、約3千万人で、これは日本の約1/4しかありません。従って、人口密度は一平方キロ当り、カナダは3人に対して、日本は333人となります。確かに広大な国土なのですが、人間が利用し、住み付く事が出来る土地も水も見かけ程多くは無いのです。 5,500kmに及ぶ東西の国境線の近所の都市と町に全カナダの人口の9割以上が住んでいるのです(西のバンクーバーと東のトロントでは時差が3時間、更に東部海岸のハリファックスで4時間、その又更に東のニューファウンドランドだと4時間半もあります)。 6割以上の河は、人間の手の及ばない大地を縫って北極海に流れ込んでおり、人間の手の届く所では、水資源の枯渇の様相すら呈しているのです。世界で現存する一番古い会社として400年以上の歴史を誇るハドソンズベイ・カンパニー(HBC)は毛皮の交易をこれらの河を使って行っていたのです。カナダに河と湖と鉄道が無かったら国としての統一も大分後の事となっていただろうと云われるほどに重要な水も、特にカナダで一番人口が密集している、我南オンタリオでは、70%の湿地が農業や道路の為に消えてしまっているのです。小麦等穀物の一大生産地として有名な、中西部プレーリー地帯も同様で、本来の大草原は殆ど消え失せ、一面の畑になっているのです。これが文明の結果なのですが、手付かずの北の大地への対策は、別の観点からじっくり考え直さねばならないでしょう。

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                                            北の国カナダの雪原
(3)カナダ人の心
広大な空間と静けさ、豊穣にして空虚と言う有名な”カナダの逆説”は、カナダ人の心の奥深くに刻み込まれ、多くの詩人の詠うところなのです。北にドライブして見ると判ります。道路があるのは、ほんの入り口だけなのですが、それでも行けども行けども同じ景色が果てしなく続き、鹿やムース等の野生動物が見られ、特に晩秋から冬に津軽じょんがら三味線を聴きながら、果てしなく続く白い大地を走るのは、感動的で、豊穣にして空虚が、しみじみ実感出来るのです。国土の殆どを、人が利用できるアメリカに比して、国土の殆どが人を寄せ付けない厳しい北の大地からなるカナダは、言い換えれば地球の最後に残されたラストリゾートの一つなのです。ここでは、全てが大スーぺりオル湖北岸のドライブきく男性的です。雨は、粒が大きく滝のように流れ、何も見えなくなる程の勢いがあります。
そんな風に降ったかなと思っているうちに、嘘のようにカラット晴れ上がる、その変り方の激しく潔い事は、全く小気味良い限りです。冬季オリンピックで有名な、カルガリーの近所にあるピンチャー・クリークという場所は、私も夏にフライフィッシングでカットスロートという喉に赤いマークがある大型の鱒を釣り上げた思い出の美しい川ですが、1992年1月に、僅か1時間で零下19度からプラス22度まで気温が上がったことがあり、今のところ、気温激変のカナダ記録となっているそうです。寒さのカナダ記録は、ユーコン準州で1947年2月に記録された、零下63度だそうです。風が吹いた時は寒く感じますが、そのWindchillでは、零下50度くらいも経験した事はありますが、刺身用マグロのショックダウン急速冷凍も出来るほどの気温などは想像を絶します。 最近では、1998年にケベック州を中心とする東カナダ一体に史上最悪のアイス・ストームが襲い、氷で電線が切れ、木が倒れ、数週間に渡って電気もつかぬ寒く暗い日々を過ごしたのは今も皆の記憶に新しいものですが、我がトロント周辺も2013年12月にIce Stormに襲われました。道路も家も樹木も全てが氷で覆われてしまい、まあ大型の樹氷を見るようで美しかったのですが、大木が縦に真っ二つに裂け折れてしまう程のもの凄さでした。この寒く厳しい北の大地がカナダなのです。カナダ人の作家が言っています。 「もし寒くなかったら、どうして甘く優しい太陽の光の恵みを知る事が出来ようか?」フィッシュ オン! この厳しい自然環境と極寒とが、カナダ人の心を作り上げているのです。「風が嫌だって、避ける訳には行かないんだ。だから、逆らわずに寄りかかる事を覚えるのさ。空からも太陽からも逃げる訳には行かないんだ。だから、替わりに目玉や背中で着るように受け止めるのさ」。同朋と助け合い、共にスクラム組む事の必要性を知り、又大自然との調和を図りながら、共に生きる事を知っているのが、カナダ人なのです。
寒いから、南の島に行く? そんな軟弱な事言っている様じゃあ、人と自然とお互い支えあいながら生きて行く心を理解出来ません。カナダ良い所、一度はお出で、しかも飛行機賃が一番安い冬場に。この厳しい冬を過ごすと、春。一時に氷が融け、草木が芽吹く。真っ青な空に燦々と輝く太陽を一杯に浴びて、刻一刻と淡い新緑が濃い緑に変って行く、生き生きとした、生命の強さに震える程の感動を覚えるのです。闇があって、初めて光が判る。これと同じで、冬が厳しければ厳しいほど、春の息吹と命の有難さが身にシミテ判るのです。 感動とは、すっかり縁遠く、石のような心になってしまった人でも、何か熱い物を感じることが出来ると思います、きっと。
と言っても、カリブ海に浮かぶ小島のラグーナで、ボーンフィッシュを狙ったり、椰子の木陰でフローズン・ダイキリを片手にボンヤリするのも又良い物なのですが・・・。
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(4)英国とのつながり
カナダは10州と3準州から、成り立っている連邦国家であると同時に、英国女王を戴く立憲君主制議院内閣制民主主義の国なのです。従ってGovernor General of Canadaと云う総督がカナダの元首であり、英国女王の名代となっています。英国女王の奇しくも、日本の明治時代の幕開けと時を同じくした、1867年の憲法(Constitution Act,1867)がその基礎なのです。その後、人権と自由の憲章を含む修正憲法(Constitution Act, 1982; Canadian Charter of Rights and Freedomsを含む)が施行され、国の基本をなしているのです。尤も、英米法の国ですから、全てが条文に書かれている訳では無く、憲法上の仕来りと呼ばれ、書かれていない法律である慣習法も憲法の一部を構成している事になっています。州は西から、ブリティッシュ・コロンビア、アルバータ、サスカチュアン、マニトバ、オンタリオ、ケベック、ニュー・ブランズヴィック、プリンス・エドワード・アイランド、ノバ・スコシア、ニュー・ファウンドランドの各州と、ユーコン、北西準州に、1999年に誕生したヌナバットの3準州です。驚く事に、カナダが憲法上正式に英国から独立したのは、この1982年憲法によってだったのです。だから、実際第一次、二次世界大戦には、実質独立国カナダとして参戦したのですが、法律的にはイギリス連邦軍の指揮下で戦ったのです。カナダの、紋章は、毛皮交易からも思いつく通り、あの柔らかくフックりした手触りのビーバーだったのですが、1700年の始め頃、今の楓の葉(Maple Leaf)になり、それが、イギリスのUnion Jackに代わって正式なカナダ国旗になったのは、ついこの前の1965年の事だったのです。又、国歌も1980年にOh Canadaが制定されるまで、これ又イギリスのGod Save the Queenが歌われていたように、カナダはまだ若いダイナミックに動いている国なのです。

(5) カナダ人の仕事振り
好きな事を誰に気兼ねも無く好きな様にやって、充実したストレス・フリーの第二の人生を、ゆったりと時間の流れる雄大な大地のカナダで過ごそうと、トロントに住み始めて早十数年。月日の経つ事の何と早い事か・・・。取敢えずは目論見の通り、好きな事を好きな様にやって、張りのある人生を楽しんでいるのですが、でもストレス・フリーとは行かなかった。
どこに居て、何をしていようと、世捨て人で無い限り所詮は人の世の中に住んでいるので、プレッシャーからは逃れる事など出来ない定めです。必死に働いていた若い頃には余り気が付かなかった事でも、そこそこの年輪を重ねてゆったりとした自分の生活を始めると、色々と不思議な事、おかしな事が目に付いて来るものです。最近の日本やカナダも含め、世界が、人間が、オカシクなっていると思う事が余りにも多いのです。もっとまともな世界にならぬものか? 買い物に出掛けるのも、又投やりな店員を相手にすると思うだけで、面倒くさくなってしまいますが、そんな思いからカナダを眺めてみて気が付いたカナダ人の仕事っ振りを少し書いてみました。カナダが好きで住み始めただけに、情けないカナダを見ると、つい辛口の小言を言いたくなるのです。

@トロント市のバス

トロントでバスに乗った日本人のかなりの人々が、バスの運転士の奇異な行動を目撃していると思います。停留場でも赤信号でもない場所で突然バスが止まり、運転手が何も言わずに降りてしまうのです。少し経ってから手にコーヒーを持って帰って来て、何事も無かったかのように又運転を始めるのです。勿論何も言いません。市の公務員たる市バスの運転手がその公務中にです。それに輪をかけて驚く事に、乗り合わせた乗客の誰一人として、運転手の行動に文句を付ける人はいません。そんな事は当たり前だ、コーヒー位飲ませて上げるべきだと優しく思っているのでしょうか、或いは文句を言っても不愉快な事になるだけだから無駄だと思っているのでしょうか。何時も自分が遣っている事を、運転手もしているだけだから、何も悪い等と思ってもいない、まあ思ってもお互い様と云う事だと思います。そう言えば同じトロント市交通局(TTC)の地下鉄の出札掛りが、机に足を乗せ昼寝をしている処を切符を買いに来た人に写真を撮られ、新聞に大きく掲載された事がありました。勿論新聞は「弛んでいる」と思ったから掲載したのですが、本人は病気だったからと弁解し、組合も彼を庇って薬の所為であったとし、遺憾の意の表明すらありませんでした。私は幸いバスにも地下鉄にも殆ど乗る機会がありませんが、それでも切符を買う度毎に、客を客とも思わぬダラケタ対応に、この税金泥棒めと怒る羽目になってしまうのです。何時大事故が起きても、不思議ではないと常々思う程綱紀が弛んでいる処が問題なのに、その従業員とトップにそんな危機意識のカケラも無いのです。それに加え盲目的に体面を保とう、庇おうとするのが、個人や組織の陥りやすい過ちですが、庇えば庇うほど、己が信用を失墜させているのだと、思い至る必要があるでしょう。

A役所にて
カナダで暮らす為に必要な、健康保険やビザ等市民カードの手続等個人的なものから始まって、納税や会社設立手続きや諸相談の為、役所に行なくてはならない事柄は沢山ありますが、大体どこへ行っても一回で済ませる事が出来たら、それはとても運が良かったと言えるでしょう。運は、何番の窓口になるかで決まるのです。手続き等と云う定型的なものに担当者個人の裁量が入る余地は殆ど無い筈ですが、初日にこの書類が無いから用意して次回又来て呉れと言われて、その通りに持って行くと、次の担当者は、こんな書類は要らないのにと言われ初日の書類だけで手続き完了とか、家族一緒に申請に行ったら(当然同じ書類を持参している)、皆取れたのに一人だけ書類不備で撥ねられたとか、説明が夫々違っていた等と云う事が度々起こるのです。知らない事は上司等知っている人に聞いて対応すれば良いのに、自分は何でも知っていると思ってか、兎も角目の前のお客を一刻も早く、自分の前からどかす事を仕事だと思い込んでいるのか、仕事と云うものの考え方が我らとは違うのです。又、長蛇の列を尻目に、コーヒーブレークを取るのも、バスの運転手と変わらない。時間に厳しいのは、終業の時間だけ。後2分で閉まると、息咳切って飛び込もうとした扉をバタンと面前で閉められ、抗議したら自分の時計を示してもう5分過ぎだと。事務所の壁に掛かっていた時計も未だ2分前だったが、「あれは遅れている」と! 何をかいわんや。

B新築コンドミニウム引渡し時の現状チェック
カナダ人の友人が、新築コンドを購入し、引渡し時の検査を行い、要手直し箇所何と44箇所の要求をしたのが9月、その手直しに時間が掛かり、何回も催促の結果兎も角、手直しの点検の為、建設会社とのジョイント・サーベイがセットアップされたのが翌年の1月。その時にはこの友人は日本へ転職してしまい、手直しが満足に出来ているか等のチェックが出来ないので、私が代理人としてジョイント・サーベイに出て欲しいとの依頼がありました。気安く引き受け、約束の時間30分前に現場を訪れ一人だけで事前チェックを行っていましたが、何とビックリ、手直し完了していた項目はほんの7箇所のみ、後は全く手付かずの状態だったのです。おまけに建設会社の担当者は、約束の時間に現れず、何の連絡も無いのです。30分待ってから、1時間以上も前から待っていたが、現れなかったので、もう帰ると担当者の携帯に留守伝を残してから、駐車場に戻ったのですが、その途中電話が鳴り、ロビーに居るからとの事。再度来るのも嫌だから、怒りを抑えて、ロビーで初対面。当然何かの言い訳が有るかと、思っていたのですが、遅れた説明も、謝罪も一切無し。平然と部屋まで上がり、さて何か問題はありますか?と来たのには唖然としました。兎に角、私は事前チェックを一人で済ませ、7/44 詰まり16%しか手直しをしていない事を知っていますが、この若い女性担当者は手直し項目の書類を持っておらず、又そんな書類は読んだこともないらしく、何処をどう手直ししたのか、或いは未だ出来ていないのか全く無関心に、こんなに多くの項目の手直しを指摘したお客など、今まで会った事が無いとホザクではないか!
日本的感覚からすれば、先ず入室時には靴を脱ぎ、室内を汚さないように見るのですが、気が付くと靴を脱いでいるのは私だけで、担当者は靴のままなのです。オーナー側が靴を脱いでいるのだから、あんたも靴を脱ぐのが常識だろう?と言いましたが、どうせ手直し時に汚れるから、全てが終わった最後にクリーニングするので問題ないと、遂に靴を脱がなかったのです。映画では、靴を履いたままベッドに横になるシーンを良く見ますので、靴はシャワーを浴びる時以外には脱がないお国柄かも知れません。でも単なる習慣の違いだけで済ませられぬものを、つくずく感じさせられました。曲がって捻じ込まれたモクネジがどうした?ちゃんと付いているではないかとか、壁のスクラッチを直したら、今度は別の場所に瑕をつけてしまうとか、日本では考えられない事ばかり。極めつけは、部屋番号が間違って付いていた事。それも最後まで付け替えされなかったのです。理由は、コンドの所有権は部屋の中だけであり、玄関ドアーの外側は含まれないから勝手に変更を加える事は出来ないんだと!結局新たなチェックリストを作成し、同じ様な手間隙をこの後数回重ねて、最後はタリオンと云う、政府の消費者保護機関へ通報すると脅しながらも、もう相手にしても埒が明かないからと、要求項目の軽いものを半分程撤回した上で、何とか全部を終わらせる事が出来たのが、丁度半年経った2月27日の事でした。
マイホーム購入はカナダ人にとっても、一生に一度かそこらの高い買い物なのに、業者も業者なら、買い手も買手で、歪んでいようが、曲がっていようが、どうと云う事は無いとでも思っているかの様子なのです。そんな仕事振りなのですが、カナダでは有名な大手なのだそうですが、カナダ人相手だから成り立っているのでしょう。
これが日本でも有名な(勿論悪名で・・・)ボンバルディアと云う飛行機や列車などを作っている会社の様に、世界中の人々を相手にしている会社でも同じような仕事振りなんだろうなぁと、思い当たったものです。恐ろしくてボンバル機や遊園地のジェットコースター等には乗る気になれません。ネジを付ける穴が3つあれば、2つだけを締める手抜き仕事を効率的な仕事だと勘違いしているカナダ、飛行機や車のみならず、全ての仕事に共通しているように思えます。

Cカスタマー・サービス
お客様窓口はどの会社にもあり、大体専用のフリーダイヤルが設けられています。1年365日、昼でも夜でも通じる事になっていおり、上手く運営されればとても便利なものと思います。私が良く掛けるのは大手電話社Bell CanadaやRogers Communications等です。掛けると録音が、先ず英語かフランス語どちらにするか聞き、場合によっては自分のアカウント番号を入力させられた後で、案件は何か次の中から選べと件名を言い始めます。長々しい録音を聴いてから自分の案件の番号を押すと、大体は今係りはお客様対応中だから、このままお待ちくださいとの録音があるのですが、大体5分から10分は待たされるのが通常です。漸く自分の番が廻って来て係りが出ると要件の相談が始まるのですが、この前は契約しているRogersのInternet Wifiが頻繁に切断されインターネットもメールも出来なくなるので、どうしてこんなに頻繁に切れるのだ?と質問したのです。要はWifiに使っているモデムが古いタイプ(と言っても5年程度)のものなので、頻繁にリセットが必要になるのだとの事。新型モデムに切り替えたら良いとの事なので、ついでに月の使用限度も倍の容量に契約し直したのです。何処のRogers Shopへ新型モデムを取りに行ったら良いのか、2時間以内に出荷の手配を終えて連絡するので待っていて下さいとの事で、やれやれこれからはインターネットに接続出来ないでイライラする事もなくなると安心していたのですが、2時間経っても何の連絡も無く、まあここはカナダだし何時もの事だからと思って待っていたのですが、遂に翌週になっても連絡が無い為、冒頭の手順を経て再度カスタマーサービスに電話したのですが、最初に電話に出た係りが、あなたの契約は○○だから(要は昔の容量のママ)だから新型モデムは要らないのですとノタマウ。何言ってんだ!良く見てよ。先週容量を倍増し、新型モデムのピックアップをする店の連絡を待っているのだ、連絡寄越すと言ったけど、何時もの様に無しの礫だったから今電話をしているのに契約自体が新しいものになって無いなんて、杜撰な管理もここに極まれりだねと、翌日メールで受け取った容量倍増契約の確認書の番号を告げたら、ああそれは新型モデムの引き取りが無かったのでキャンセルになっていますとヌカシおる。こんな奴とこれ以上話しても埒が明かぬので、マネージャーに代らせて再度一から説明して、全く新規に契約更新をし、新モデム引き取り店を聞き、今度は詰まらぬ寝言を封じる為に、担当者の姓名、従業員番号、今回の会話の内容を証明する録音番号を聞き取り、即新モデムを引き取りに行き無事にインターネットのアップグレード作戦が完了しました。まあ引き取りに行った店でもチョットした事がありましたが、まあそんな事は取るに足らない事。大きな国では小さな事でコセコセしないほうが健康の為に宜しいようです。
そう言えば、同社のケーブルTVも入れているのですが、当初契約時は7−80局くらいが見えたのですが、ここ1年から2年で視聴可能チャンネルがどんどん減って行き55チャンネル以下しか見られなくなったと思っていたら、その後テレビを見るたびに、今まで見えていたチャンネルが映らなくなり、今は28チャンネル以下が見えるだけとなっています。どうもデジタル化の工事との関係があるようですが、何の説明もありませんから何故なのかは全く知りません。それ迄も、良く近所でケーブルの工事等があると、TVが数日見られなくなった事もありましたが、工事で見られなくなるよとのお知らせは皆無。それでも何回かは見られなかった日時を日割り計算させて料金調整をさせた事がありますが、その為にはカスタマーサービスに都度掛けあわねばならぬので、つい放っておく事になるのですが、言わねば絶対に料金調整は無く、ノーサービスに料金を取られる結果となっている。契約チャンネルの減少も別にその分視聴料金が半分になるどころか、逆に値上がりしているのです。文句を言わないといけないとは思いつつも、カスタマーサービスに電話すると一日が潰れる程の時間が掛る上に、たらい廻しされたり、嫌な思いをさせられたりするので、つい億劫になりまあテレビなんてあまり見ないからいいかぁとホッタラカシにしてあるのです。
顧客をこう言う投げやりな気持ちにさせ文句を言わせなくするのが、カナダではカスタマーサービスと言うもので、全部コンピューターに応対させているので、人間にたどり着くのに時間が掛るし、電話ではチップも貰えぬし、顔も見えぬからといい加減な対応で早く電話を切るか、他に廻すかばかりを考える「顧客蹴散らし係り」となっているのです。良いサービスを提供し,料金はその対価として貰うと言う基本を忘れ、ズルでも楽して金さえ貰えればそれで良いのがカナダ人の仕事。仕事って何か?生きるってどういうことか?等々、そんな面倒な事は一度たりとも考えた事が無いか、考えたくないのがカナダ人だと思うようになりました。これで、最近毎日の様に再放送されているWalking Deadがどうして当地でこうも人気があるのかが、腑に落ちました。エロ・グロ・ナンセンスが好きな事、再放送は金が掛らないと言う事もありますが、本当は自分たちより下がまだ居たのだと安心したいのでしょう。
こんなカナダ人のアンケート調査で、「カナダの最悪・最低の会社ワーストテン」が数年前にありましたが、堂々の第一位はRogersでカナダ国民の65%が、どうしたらこんなに酷い会社になれるのか、世界ランクでもこの会社に勝てる会社は無いだろうとの太鼓判。勿論ベルも3位か4位でしたが、ランクインした会社は皆誰もが知る有名大企業ばかりでした。この業界の様にビッグネームが夫々商売しており、一見消費者の選択肢は非常に多様であるかの様に表面的には見えますが、実際にはどれもこれもなりふり構わず金を毟り取ろうとしているだけで、良いサービスを求める我ら外国人からすれば全く選択肢が無いという悲しい現状なのです。それでも何事も無く営業が出来、文句は言われつつも社会的にも受け入れられている事実こそが雄弁に病めるカナダを物語っています。

まだまだ沢山ありますが、続きは追々書いてゆく事にいたします。こう云うことに長い時間を掛けるとストレスが溜まりますから。

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